けれど、そういういろいろな受け取り方も含めて、作品なんだということを実感できたのが、匿名の感想たちだった。
この授業は高校1・2年の二年間続いたのだけれど、何度か続けるうちに、短い升目の中にちいさなものがたりを紡いでいくことが、私にとっては単なる授業の課題ではなく、本当にやりがいのあることになっていた。少しの文字数の中に切り取られる風景や場面。それは詩でも小説でもない、単なるみじかいものがたりである。けれど、みじかいものがたりだからこそ、よりくっきりとあらわされる想いもあるかもしれない。
こうしたみじかいものがたりをかきたい。これからも。そして、できれば、人に届けたい。 それは今に至るまで自分の中にずっと続いている気持ちである。
「スケッチ」の中のいくつかのものがたりは、高校生の私がかいたものである。今となっては同じテーマでも当時のようにかけるとは思わないし、またかかないと思う。16、17歳だった私だからこそかけたもの。
それは、私のはじまりであり、私の原点である。
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