短いコール音で私は我に帰った。
「寒いけど元気−?近々飲みに行こうよ!」
たわいもない、女友達からのメールだった。
待ち望んでいた人からじゃなかった。一瞬下向きかけた気持ちは、黄色い白熱灯に照らされてぎこちなく揺れる携帯の液晶を見るうちに、不思議と消えていった。
ここにも淋しさと闘う人がいる。私はひとりじゃない。
少しうとうとしたせいで冷えきってしまった指先を間接照明にあてながら、私はいそいそと返信を打った。
こんなときばかりは、白熱灯も悪くなかった。
2000.12
初出「connect-web vol.3」
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