目次
スケッチ

 熱いホットウィスキーを持ってテラスに出た。おびただしい数の星たちが私を見下ろしている。まるで私を試すかのようだった。 
 
 グラスを重ね、月が真上に来る頃には身体の芯が暖まっていた。夜がどんどん透き通ってくる。部屋には掛時計があるけれど、今が何時なのかはもう気にならなかった。
 私は孤独だったが、でもとても自由だった。
 ほんの三日の休暇くらい、孤独でいるのも悪くない。 
 星と月のあかりのなかで、夜は透明でほのかに明るかった。


2001.10
初出「Quarterl Magazine Connect 005」
(テーマ:Eメール)

<< 前のページに戻る
2/2


image

△スケッチのTOPへ


ノート
ダイアリー
プロフィール
感想など

指鉛筆・目次スケッチノートダイアリープロフィール感想など