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『2004年みどりのテーマ』
私がこの街に住むようになって2年めを迎えます。
戸越というこの古い街を歩いていると、しばしばのら猫に遭遇します。猫は子供の頃から大好きですから、このことは私がこの街が好きで住んでいる理由のひとつになっているかもしれません。
そんな私が決めていることが一つ。
〜のら猫に施しを与えないこと〜
たった一度の施しでも、賢い猫のこと、二度め三度めの食事を求めて私を待つようになるに違いない。狭いアパート、まして一人暮らしのこの身では、猫の面倒は見られない。ご近所に迷惑はかけられないし、いつかは私を頼ってくる猫を裏切ることになる。喜ばせて最後に裏切るよりは、最初から期待させない方が良い。そう思って私は、鳴きながらついてきた猫の目の前で玄関のドアを閉めるのです。
・・実は、これが本当につらいのです・・。きっぱり振り切った後に、あの猫はどれだけおなかを空かせていたのだろうと思うと毎度毎度泣きたくなります。憐れみは偽善だ、私の選択が正しいのだと信じてはいても。
いつかは笑いながら「'のら' なら自分でえさ取って来い!」と猫の鼻先でドアを閉められる人間になりたい。
今年の私のテーマは、「易きに流れない」です。
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